私編「しろちゃん」でご紹介しました二階堂家の長女、しろ
ちゃんとの別離の時が迫ってきました。丁度十一歳齢になった
ばかりですが、瀕死の交通事故の怪我から十一年、よく頑張っ
てくれていると思います。ただやはりどんなに長生きしてくれ
ても別離は認めたくありませんし、悔いも残ります。
後どのくらい頑張ってくれるのか全く解りませんが、最後の
最後まで共に頑張ってみるつもりです。出来ることはほんのわ
ずかなことでしょうし、しろの役に立つことも少ないかもしれ
ません。添い寝をしながら病床の様子を書き綴ってみます。
抱き上げて移動することができないワン君ですので、病院に
連れて行けないという特殊な状態での闘病記録です。事故の後
遺症で触ろうとすると咬みにきますので、経口的薬品及び栄養
の投与は不可能です。点滴及び注射時には、咬まれることを覚
悟して処置をしております。
二階堂 しろ (11歳齢 雌)1982.10.??.
自宅前で車に跳ねられ、頭蓋骨骨折、胸骨骨折、下顎骨骨折、
腹腔内出血、意識不明の状態で二階堂家に。推定2カ月齢。
現在までに一過性の心停止3回
1993.09.19
殆どの歯が抜け落ちている。一日中寝ている。食欲もあまり
ないようである。老齢による衰弱が始まったのであろうか
1993.09:20
午後8時40分から酸素吸入するも、効果みられず
酸素テント作成 深呼吸 自力歩行せず
1993.09.21
00:00 皮下点滴ラクトリンゲル 80t
02:00 ラクトリンゲル 50t
05:20 体位変換 怒る 呼吸速迫
05:30 酸素ボンベ交換 100立方吸入
08:30 ラクテック 200t
自力で体位変換
犬座位 排尿 なし
09:30 ラシックス 筋注 1t
ベッドから降りる 後肢で支えられず
這うようにして動く 下痢便 少々
10:30 呼吸安定 名前を呼ぶと目を動かし反応する
心音混濁 体に触ると吠えて怒り始める
酸素拒否
11:00 眠り始める 聴診器を持って行くとはっきり
とした吠え声で怒る 呼吸極めて正常
心不全性の肺水腫を警戒
強心剤の経口投与不能のため慎重な電解質の点
滴投与を模索
ラシックスの注射量及び間隔を慎重に考慮する
ことが肝要か!
経口的栄養及び強心剤の投与が可能になれば光
明あり!
肺水腫症状の出現に対し家庭でできることとし
て、エチルアルコールの吸入を準備
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1993.09.21
12:00 症状安定 意志表示明瞭 自立起居不能
13:30 小康状態
15:40 排尿・排便
16:30 ラクテック 皮下点滴 200t
症状安定 よく怒る 犬座位 眠り始める
22:00 変わらず 自力体位移動 傾眠傾向?
22:45 牛乳 130t 自力摂取
23:30 自力でもがいてベッドから下に降りる
1993.09.22
00:00 排便 少量
00:40 ラクテック 皮下点滴 120t
口腔粘膜異常なし
チアノーゼ兆候 なし
小康状態なるも自力運動不能
反応良好
手を舐めてくれる
04:00 熟睡中 異常なし
排尿 多量 自力移動できず
目に見えない形で衰弱が進行か?
05:20 変化なし
09:00 熟睡中 横臥位
11:00 異常なし
15:00 排尿 多量 シーツ交換
牛乳 30t
自力行動起こす意志はあり
四肢動かすことできず
17:00 睡眠中 犬座位
19:15 ジゴキシン 0.125mg
バター 0.5t
水 10t
カロリーメイト 強制摂取 30t
意識明瞭
自力運動 不能
21:00 横臥位 手を舐める、ついでに鼻も
23:00 体位交換 犬座位 呼吸が少し深い
心音微弱 意識明瞭 食欲なし
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