一才の誕生日が過ぎてもう三ヶ月以上にもなる蘭ちゃん、自
分の体重よりはるかに重い先住民のベンジャミンに遠慮などす
ることは決してない。
自分が遊びたいと思えば、ベンジャミンの思惑などは何処吹
く風、頭にのしかかってゆくは、胸毛に咬みつくは、それこそ
したい放題のやりたい放題。迷惑そうな顔をして相手をしてい
るベンジャミンの優しさがなんとも嬉しい。でも、目線が蘭ちゃ
んの脚下に移るとき、胸を刺すような痛みが走るのであった。
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赤い靴を履いてさっそうと走る蘭ちゃん。コツコツコツコツ
カッカッカッカッ・・・ベンジャミンと芝生広場を走っている
夢でも見ているのであろうか、ベッドの中の蘭ちゃんが追い啼
きのような声を出し、また眠りに就いた。
明日はいい天気であって欲しい。
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