夜来の雨に・・・



7月2日 金曜 大雨
 昨夜来の雨が夜明けと共に段々と激しくなり、午後に入って 
からはまさに土砂降りの状態である。一向に止む気配どころか、
益々雨足を強めてゆく。

 遅い食餌をそれぞれの小屋の中で済ませた二階堂家の子供た
ち。はちは、ちびの小屋に居候を決め込み、しきりにちびの尻
尾にじゃれついて遊んでいる。

 大五郎は、このところももの小屋が気に入ったのか、それと
も、ももに母親の匂いを感じるのであろうか、ももと同居のこ
とが多い。

 大粒の雨の中で狭い庭を走ることもできないためだろう、大
五郎とももが一つの小屋で丸くなって午睡をとっている。
 はちとちびも昼寝の最中である。玲だけが目をしっかりと開
けて私の部屋を見ている。応接間の長椅子の上では、蘭が肘掛
けを枕に、時折隣の部屋の私の様子を窺いながらうとうとと居
眠りを繰り返し、ベンジャミンはベッドの上で昏々と眠ってい
る。

 しろちゃんは特製の座椅子を改造した専用ベッドから離れる
こともなく、昼食のトーストを食べた後、やはり居眠りの最中
であった。

 屋根に打ちつけられる雨の音が一段と激しくなってきた。五
色台の野生児たちはどうしているだろうか?