短時間の五色台訪問で随分沢山のものを手に入れられた御様
子に接し何よりのことと喜んでおります。
雄大な自然の中で、精一杯生きている彼ら五色台の野生児た
ちが我々ちっぽけな人間に与えてくれているものの多さにあら
ためて割目し、またそれらのことに気づかれたニュイ君の優し
さと洞察力にも頭が下がる思いでいっぱいです。
「あの権兵衛やさくら、そして太郎。彼らが氏を
動かしている。それほど素晴らしい、そして心
を暖めてくれる犬たちなのだ。
この現実の前に直面した時、それぞれができる
ことをするということの大事さを知る。
そしてそれが、どれほど自分に幸せをもたらせ
てくれることか!
今、二階堂氏は至上の幸福感に満たされている」
ご推察の通り、二日に一度の給餌活動によって、彼ら五色台
の野生児たちから与えられる幸福感、そして優しさと暖かさと
にふんわりと包まれた何とも表現することのできない感覚!
この不思議な感覚をどう表現すればいいのでしょうか!
全ての表現能力を超越したまさに、言葉に出すことができな
いほどの大きなそして多くの生きて行くための優しさを教えて
くれているような気がいたします。
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「行徳のガンジー」と名付けられた「放浪犬・流転のバル」
が人々に与え続けてきた幸せを、今五色台の野生児たちは私に、
そして彼らを取り巻くニュイ君を始め多くの人々に与え続けて
います。
そんな彼ら野生児たちの優しさと厳しさに触れることで、心
が温かくなり、清められ、明日への道を希望と信念を持って歩
むことができているように思っています。
「人の命と野良の命とどちらが大切か」「犬と人とは同次元
なのか」などの議論がいかに不毛であるか。そして文明の発達
と生活の至便さの追求との引換に私たちが失ってきた「慈しみ
の心・思いやりの気持ち・優しさ」などを生命の危険、住居、
食糧、病など、全ての不安因子の中で失うことなく、私たちに
行動で教えてくれている五色台の野生児たち!
私を取り巻く多くの人々に何一つお返しをすることはできな
いままに・・・野生児たちが与えてくれている優しさに何一つ
応えることができずに、私もいつか生を終えるかも知れません。
しかし星空の中できっと彼ら野生児たちに再会し、いたらな
さを詫び、また共に草原を駆け、風に向かって歌うことがある
ことを信じて、今自分にできることを淡々と続けて行きたいと、
改めて決意致しました。
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