神戸の○リ○



5月3日
 雨上がりの三日午後三時、通信仲間のニュイ君を高松港に見
送った後五色台へ! 連休のせいであろう、行き交う車が多く、
登山口の駐車場も満杯の状態であった。有料道路を入り、例に
よって例の如く、自然科学館横の駐車場への急なカーブを曲が
る。

 一昨日は時間も少し早かったせいと、見慣れぬニュイ君が同
行していたこともあったのであろう、今日は太郎・権兵衛・さ
くらの三頭がカーブの入り口まで出迎えてくれていた。特に太
郎は車に擦りよってきて歓迎してくれる。

 駐車場は県外ナンバーの車で一杯であった。太郎とさくらが
しきりに空腹を訴える。用意してきたパンの切れ端とドライフー
ドに缶詰のビーフを混ぜたものを容器に分けて与える。太郎と
さくらが、がつがつと食べる。権兵衛はいつもの通り、おっと
りとしている。

 観光客が怪訝そうな目付きで私のしていることをじっと見つ
めている。ある程度慣れているとはいえ、余り嬉しいことでは
ない。ゆっくりと遊びたい気持ちを抑えてというより、太郎た
ちが車にひかれることを警戒して駐車場を離れ山裾のコロたち
のところへ向かう。
 仔犬三頭・名無し・茶・クロ・コロ、みんな元気そのもので
あった。相変わらず車の通行量が多い。ほとんどが県外からの
観光客のようである。

 風が出てきて肌寒さを覚える。此処でもゆっくりと遊んでや
ることができない。全員食欲も旺盛で異常もないようであった。
コロが雨にでもうたれたのであろう、少し濡れていたが大丈夫
のようであった。

 薄紅色の躑躅と藤の薄紫が見事なコントラストを山肌に描い
ていた。

 ペルシャの子猫を大事そうに抱えて船に乗り込んで行った髭
面のニュイ君の顔がふと海を眺めている眼の中に浮かび上がっ
てきた。

 白いペルシャの子猫と神戸の○リ○との対比・・・!!!