昨日来高したニュイ君と明け方まで話し込んだせいか、十時
半過ぎに起床。午前中を私のパソコンの整備で費やし、午後三
時半、昨日逢えなかった太郎たち一家のことがどうにも気掛か
りであり、ニュイ君の帰神を夕方に延ばしてもらい、五色台へ
向かう。
自然科学館横の駐車場に置いていた食餌が手付かずのまま残
っていた。当てもなく付近をニュイ君と共に歩きながら探して
みたものの、太郎たち一家が現れる気配はなかった。
峠下のコロと茶に給餌、岬のクロを訪ねる。元気に駆け寄っ
てきてくれる。昨日の食餌がまだ少し残ってはいたものの、新
しい犬缶をニュイ君に開けてもらい嬉しそうに食べる。
冷たい飲み物を自動販売機のところまで買いにいったニュイ
君が手招きをして呼ぶ。何かしら異常な声が山の中から聞こえ
ていた。
付近にいた人たちも聞き耳を立てていたが、どうやら雉のよ
うだということで再び太郎たち一家のことを尋ねるため有料道
路に向かう。
料金所の係官に太郎たちのことを尋ねるが、保健所関係が入
山した様子はないようであった。念のためもう一度自然科学館
横迄車を走らせてみるが、太郎たちはやはり不在であった。
明日もう一度きてみることにする。
山を下りながら、ニュイ君がどうしても先刻の啼き声が気に
なるというので、岬のクロのところにもう一度車を止め付近を
探してみる。
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道路から三メートルばかり入った薮の中で、がんじがらめに
なって助けを求めている生後四十日ぐらいの雑種の仔犬を発見。
ニュイ君に無理矢理茨でガードされた殆ど人間の入ることので
きないような茂みの中に入ってもらい、何とか救出に成功。
ただニュイ君が傷だらけになったことと、アレルギー症の私
の全身がカユクなった以外は大成功の救出劇であった。
運良く自動販売機で売られいたパック牛乳をゴクゴクと飲み
終えた仔犬君、ニュイ君の太い腕の中に抱かれて、半分居眠り
をしながら高松駅まで無事到着。ニュイ君を見送ってから二階
堂家へ!
八頭目の新入りである。既に飼育能力をはるかに超えてしま
っている。岬で棄てられていたちびちゃんに抱かれておとなし
く眠っている。
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