眠れぬままにキーボードに向かい、見果てぬ夢をラ・マンチ ャの男の如く見続けています。 鴬が早い春の訪れを心地よく告げ、雛鳥を従えた雉鳩が道路 を悠々と横切り、松の緑が新しい淡い緑に変わろうと風の中で 揺らめき、青く澄み渡った空と深い緑の海の色の真ん中で親子 の野良たち一家が食後の散歩を楽しんでいる。 色を失っていた芝生の所々からクロバーの葉が顔をのぞかせ、 午後の緩やかな陽差しが雌雄の犬の背を暖かく照らし、従う子 供たちに優しい温かさを投げかけている。 芝生広場のそこここに陣取り、春の香りを楽しんでいる人々 の間を家族の犬たちがゆっくりと徘徊し、ある者はお弁当のお すそ分けに預かり、またある者は優しい愛撫の中に身を委ねる。 |
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仔犬たちは騒々しく人々の周りを走り抜け、甘えた仕草で愛 情を溢れるほどに身に受ける。野生児たちが存在し、その優し く愛くるしい啼き声があふれることで自然の色が広がる。 風と共に生きる野生児たちが周囲の人々を取り込みながら 優しさの漂う絵画を創りあげていく・・・・・ 風が鳴き、鳥がさえずり、花々が甘い香りを漂わせ、 そして、全てを陽光が優しく包む。 |
集うものすべてが生きることを謳歌し、生きることの歓びに 輝き、寄り添うものたちをよりいきいきと活かし続けている。 生きとし生けるもの全てに陽は輝き、命の歓びを吹き込む。 時折天空より舞い降りてくる白衣の使者が、集う者全てに 渇きを癒す命の水を与え、優しさの限りなくつづく夢を手 渡す。 時は止まり、ただ風の音だけが静かに通り過ぎて行く・・・ −Don Quixote de la Goshikidai− |